□ヘ ブライ編 □カナ ン編 □ バビロン編 □ペルシア 編 □ その他編


―最古の文明の地に築き上げられた強大な帝国、今なお息づく列強の神々

            ・アッシュルたん・


      「あっしゅるばにぱる!あっしゅるばにぱる!」

     Assur            
 アッシリア人の大地。アッシュル市の神格化。アッシリアの人々に昔から信仰されてきた神。
 アッシリアの勢力拡大とともにその力を増強させ、ついにはシュメール、アッカドの神々と比肩しえる存在にまで上り詰めた。アッシリアがオレントのほぼ全 土を掌握した際には主神であるエンリルやマルドゥークを超える立場に就き、神々の王ともいえる存在となるのだが…


・すきなもの・
 ・地元
・きらいなもの・
 ・ナボポラッサル

・解説
「ヤハウェたん」が史実を追う場合、避けては通れないのがアッシリアの北イスラエル王国侵攻なわけですが、困ったとことにその後はアッシリアが関わってく ることがなくなってしまうために、話的に立場が非常に中途半端です。どうしたもんでしょう。





             ・マルドゥークたん・


       「バビロンの門を、開け。王の出陣なるぞ」

     Marduk            
 バビロニアでは、それぞれの都市ごとに、守護の役目を持った神々が祀られている。マルドゥークはバビロニアの首都、バビロン の支配者にして現在のバビロニアの全ての神々の王である。
 地上最大の厄災といわれたティアマットの暴走を食い止め、世界と神々を救った英雄でもあるマルドゥークだが、現在は既に引退し たシュメール・バビロニアの至高神たち(シュメール、バビロニアでは神々の王が代替わりする)によって形成される神々の元老院の意向と、既に彼女を退け、 新たな主神を用意すべきだと考えているバビロンの人々の板挟みにされてお り、中間管理職としてなかなか辛い日々を送っているようだ。
 カナンの地に目を向けたバビロンの人々を先導して、出征を行うことになるが、その合否如何によっては、マルドゥークは後ろに控える別の神に王座を受け渡 す ことになるのである。
 実力はオリエントの神々の中では最強。地方神など寄せ付けるまでも無い。しかし、その心境は色々と複雑なようだ。

・すきなもの・
 ・お正月
・きらいなもの・
 ・神殿に飾っておいた像を奪っていったヒッタイトの連中


・解説
実は、最初はこんなおっさんだったのだが、『創世記』におけるヤハウェたんのライバル役の一 人ということで女の子型に。
ラスボス的存在ということで、威厳のあるデザインにしたかったのだが、設定が固まるにつれて威厳のあるキャラじゃなくなってきたので、デザインもどっちつ かずな感じになりました。





          ・エアさん・


    「そこな少女よ。我が声に耳を傾けよ」

       Ea /Enki   

 シュメール、アッカド時代から変わらず、常に神々の中心的存在としている水の神。
 無数に存在するシュメール系の神々の中でも非常に重要なな神だけに様々な神々から頼りにされており、悩み相談を受けることもしばしば。そしてその度に様 々な難題を解決させてきた。まさに、智慧の神である。
 マルドゥークの父親でもあり、新興の主神である彼女と、エンリル神をはじめとする元老院との間に入り、こと孤立しがちな娘のサポートにまわって、アドバ イスをすることも多々。
 非常な女好きでもあり、女性の頼みはついつい優先してしまったり、断り切れなかったりすることも。

 かって、賢人ウトナピシュティムに対してエンリル神の起こす人類粛清の大洪水を警告したエピソードがあり、カナンの地でヤハウェたんが喧伝している「ノ アの箱舟伝説」が、明らかにこのエピソードのインスパイヤであることに対して、訴えようかどうか迷っているようだ。


・すきなもの・
 ・女性
・きらいなもの・
 ・イシュタルとかはちょっと苦手


・解説
なんかよくわからんけど、エア(エンキ)は美形キャラのイメージがあったので、デザインもそれをそのまんま反映。実際にはヒゲのおっさんなんだろうけど。



 

               ・エンリルさん・


        「やかましいやかましいやかましい!」

      Enlil  

 メソポタミアの事実上の最高神。
 その名はシュメール語で「主人(エン)」 「嵐(リル)」を意味し、バアルたんと同じように、本来は嵐や天候を支配する神であったようだ。父は天空の神 アヌ。アヌはエル神同様、至高の存在として君臨しながらも、目立った活動を見せぬ神であったため、神々の支配もエンリルに任せていた。
 エンリルは神々の支配者として比類なき決定権を持っており、彼から王権を授与されたメソポタミアの王に逆らうと言うことは、すなわちエンリル、ひいては 神々全てを敵に回すということである。
 しかし、そのために神々や人間は短慮かつ激昂しやすい性格のエンリルにたびたび大いに困らされた。エンリルは(実際はオリエントの神は全体的にそんな感 じなんだが)人間にはあまり愛着を持っておらず、元来持っていた天候神としての性格から、嵐や第洪水を引き起こして、彼らを何度も滅ぼそうとする。その理 由は、神々の代わりに働かせようとしたのに、人間が想像以上にうるさい生き物だったから、という非常に勝手気ままなものであったことすらあった。
 現在は、マルドゥークを最高神として認めてはいるものの、元老院のリーダーとして、かってと変わらぬ強力な支配権を握っている。
 エンリルの発言、行動についてもまるで自分が行ったかのように宣伝しているヤハウェたんに対しては激しい怒りを抱いているそうな。

 

・すきなもの・
 ・権威、支配
・きらいなもの・
 ・言うことを聞かない奴


・解説
本来はバアルもこんな感じの神様なんですけども(残っている神話が少ないので、バアルは人類と絡むことがそもそもほとんどないのだが)、まあ、それはそれ として、その分もこのおっさんに分からず屋の勝手な役をやってもらいたいところです。なんせ、この人の無茶苦茶さたるや、旧約聖書のヤハウェではとても及 ばないような酷さですし。
デザインも、比較的原典に近い設定にあわせてオーソドックスなメソポタミアな神様に。






            ・イシュタルたん・
                               


「あなたなら…私と一緒に冥府まで落ちてくれるかしら?」


      Ishtar/Inanna      


 バビロニアの愛と豊穣、そして戦争の女神。
 物語序盤からカナンに潜入し、アッタルやアナトといった「気の合う」連中に接触していた謎の女。
 バビロニアの神ではあるのだが、奔放な存在で、本国の意向を気にせず、独自の判断で動いているようだ。
 カナンに限らず、オリエント全土に広いネットワークを築いているようで、そういった意味では、この近辺の土地においてもっとも重要な存在といえるかもし れない。
 起源の古さでは他の追従を許さない女神だからか、ヤハウェたんについても色々知っているようだ。当のヤハウェたんはイシュタルを蛇蝎の如く忌み嫌ってお り、あんな女がいるようでは今に世界は終わる、と言ってはばからない。
 
 なお、ペット(?)としてサソリみたいなものを連れている。


・すきなもの・
 ・自分の言うことを聞く男
・きらいなもの・
 ・自分の言うことを聞かない男


・解説
 珍しい、年上キャラ系デザイン。
 オリエント系地母神の系譜の上ではもちろんのこと、ヤハウェたんの「敵」としても、ある意味バアルたん以上に重要な存在なので、苦手なタイプでも頑張っ て描いてみた…けど、いまいち。
 しかし、裏で色々たくらんでいるキャラが多いなあ。
 
   




          ・エレシュキガルたん・


  「細かいことはいいから、もう一度あの人に会いたいのよ」

 Ereshkigal /Irkalla 
 
 死の国の女王。
 エンリルの娘であり、イシュタルの姉にあたるのだが、どちらも異常に個性の強い女性だけにか、姉妹仲はあまりうまくいってないようだ。
 死の国の女王という職務は望んで得たものではないようで、わがままきまぐれヒステリーを起こして、宰相のナムタルさんを困らせるのは日常茶飯事。外界に 出ることも許されない立場であるため、常に退屈かつ鬱屈しており、イシュタルに対してかなりシャレにならない嫌がらせをしたことも。
 意外にも恋愛関係については(妹とは正反対で)かなりウブだったらしく、死の国を訪れた戦神ネルガルにベタ惚れ、アヌ、エンリル、エアの三大主神に彼と の結婚を涙ながらに直談判したという、純情な一面も。
 現在は愛する夫とともに、それなりに幸せに暮らしているようだが…


・すきなもの・
 ・ネルガル
・きらいなもの・
 ・イシュタル


・解説
 神様たちの体型は基本的に、その神の性質に合わせているんだけど(例・豊穣の神のバアルと死や戦闘の神のアナト)、何故かエレシュキガルは死の神だけど 大きく描いてしまった。まあ、イシュタルと姉妹だから…ということで。

 




          ・ネルガルさん・


 「天上において私は野獣、地上ではライオンだ」

     Nergal/Erra    
    
 戦神にして死の国の王。
 物事を肉体言語で解決させようとするタイプのようで、思いつきで人類滅亡を企てたり、神々の王の座を奪おうとマルドゥークの神殿に攻め入ったりするた め、従者のイシュムは常に頭を悩ませている。
 その分、智謀には弱いようで、お食事のお誘いなどで罠を仕掛けられるとこれにコロリとやられたりもする。しかし、これが後の妻との馴れ初めなのだから人 生(神生?)はわからないものである。
 マルドゥークと同じくエアの息子。家族関係含めて現在は一応落ち着いているようだが、いつ暴発してもおかしくないのが恐ろしいところである。
 

・すきなもの・
 ・戦争
・きらいなもの・
 ・我慢


・解説
ネルガルとエレシュキガルの馴れ初め話については、アマルナ版と新アッシリア版の2バージョンが現存し、どちらも同じ話を扱ったものながらかなりの差異が 存在する。ここでは、より有名な新アッシリア版をベースにしつつもアマルナ版のネルガルのやりすぎ気味なパワーさも捨て難いので、大暴れした挙句にエレ シュキガルを泣かせちゃった部分なんかも採用した感じを想定している。けど、肝心の馴れ初め話の解説はめんどいのでここでは書いてないんでてきとうに検索 してみてください。不親切にもほどがある。





       ・パズズ&ラマシュトゥ夫妻・


     「映画出演のオファーでもないだろうか」

   Pazuzu&Lamashtu   

 メソポタミア地方一帯を疫病で脅かす邪神の夫婦。
 パズズは熱風を巻き起こして疫病を呼び、ラマシュトゥは出産の際に災厄を呼び、子供をさらってはその肉を貪る。
 自然現象そのものである彼らは何度滅ぼされても復活する不滅の存在であり、神々の力をもってしても完全に消し去ることは不可能である。
 数々の疫病の神の中でも最も強大な力を持っているために、反対に彼らを祀り、疫病を避けようとする人々も多い。

・すきなもの・
 ・疫病で人々が苦しむさま
・きらいなもの・
 ・快適な土地


・解説
ラマシュトゥは本来は夫同様ライオンの頭部でロバの歯をしているはずなのだが、それでは人間の顔が描けないので普通の女性になりました。あと、鎧も本当は 犬と豚を模したものにする予定だったのにいつの間にか忘れていたのには困った困ったとしか言いようがありません。とりあえず、戦闘形態が別にあるのだと今 設定を作っておきます。

 お話的には、この人ら、すっごい使いやすそうだったので、とりあえず出しておこうと。カナンにやってきてカナンの面々と戦ったりしたら盛り上がるかし ら。

 あと、全然関係ないけど、パズズは「パズス」、ラマシュトゥは「ラマシュトウ」と呼んだほうが語呂が良いような気がする。




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