・コトブキヤワンコインフィギュアシリーズグランデ・女神転生悪魔召喚録−第6集
昨今の工場事情でお高くなりました。
・オーディン
北欧神話の主神。アース神族の王。戦いと魔法の神。
父は原始の神の子・ボル、母は巨人族のベストラ。兄弟のヴィリ、ヴェーとともに巨人族の祖・ユーミルを殺し、その死体から世界と原初の人間・アスクとエ
ムブラを創り出した。
主神故に神話においても様々な逸話が語られているが、その性質は複雑で一貫性に乏しく、多岐にわたる。また、そのように様々な側面を持っていることを反
映するように数々の変名が存在する(有名な世界樹イグドラジルの「イグ」はオーディンのこと。また、「ドラジル」は馬、つまりイグドラジル
とはオーディンの馬という意味)。
有名なエピソードとしては、知恵の泉から湧き出た蜜酒を得るために、泉の番人である巨人ミーミルに片目を差し出し、以降隻眼となった(空
洞となった片目は、現世ではなく冥界を見つめているという)話や、世界樹イグドラジルの枝で九日九夜に渡って首を吊り、自らの身を冥府に
捧げることで冥界からルーン文字を持ち帰った話などがあげられる。また、立派な髭を蓄えた老人がつばの長い帽子をかぶり、魔法の槍グングニルを携えた姿(オー
ディンは変身を象徴する神でもあるので、実際はどんな姿にでも変身できるが)や、義弟にして友にして敵対者であるトリックスター・ロキが
雌馬に変身して牡馬と交わることで(超変態…)生まれた馬・スレイプニルを愛馬とする、といった特徴は日本でも非常に有名
だろう。
戦いを司る神としては、巨人族との最終戦争(ラグナロク)に備え、ヴァルキリーたちを使って優秀な軍人を集めることがよく知られている。オーディンは人
間界で戦争を引き起こすことで、人間の勇者たちを戦死させ、その魂をヴァルハラ宮殿へと召喚するのだ。もっとも、ラグナロクにおいて神と巨人は全て斃れ、
オーディン自身もロキの息子・フェンリル狼に喰われる事になるのだが。
このように、オーディンは人間の視点から見るといささか不気味な存在として映るが、これはオーディンを最初に信仰したであろう古代ゲルマン人の自然とい
う神秘への畏怖や、当時の北欧の人々が持っていた、バイキングのエピソードに象徴されるような勇猛で現代の倫理とは異なった死生観の影響が大きい。それ故
にオーディンは人間の命を軽んじる(が、それがヴァルハラへの召喚という「選ばれる」意味を持っているのだから、むしろ戦死することは名誉
とされた)のだ。スペインの歴史家オロシウスが4世紀に著した『世界史』にはオーディンとの契約として、その戦いの勝利で獲た戦利品すべ
て(財宝の類から、捕虜まで)を勝利の見返りとしてオーディンに捧げるゲルマン部族というエピソードが紹介されている。
このように、オーディンは密議的性質(彼はローマ神話の知恵の神メルクリウス(ギリシャのヘルメス)と同一視される。後に神秘学者たちが
最重視した神である)と嵐や死を象徴する自然的性質、神話の主神という性質を併せ持った非常に特異な主神ということが出来る。こうした性
質はキリスト教の伝播とともに悪魔的なものとして忌み嫌われることもあったようで、熱心なキリスト教徒となったノルウェーの王たちは、オーディンを悪魔の
ようなものとして否定したという。また、ドイツの伝承では嵐の夜には悪魔妖怪魑魅魍魎の類が軍勢を成して、空を翔るというものがあるが、その首領は多くの
場合オーディンとされる。
メガテンシリーズでは、初代ファミコン版以来お馴染みの定番悪魔。いずれの作品でも高レベルの魔神として登場す
るが、種族としては最高ランクである魔神
の中ではパッとしないことが多く、イベントに登場しないのも目立たない一因となっている。だが、それでも安定した人気を有しているのは、やはりそのネーム
バリューの偉大さゆえか。デザインのストレートな格好良さも影響しているだろうけど。
なお、このデザインは真女神転生以降、ソウルハッカーズなど一部の作品を除くほとんどの作品で用いられているもの。裸にマントという奇抜かつインパクト
のあるコンセプトでお馴染み(このコンセプトは、ほとんどの北欧の神に用いられている)。ソウルハッカーズでは有名な老人
としての姿で描かれていたが、何故か定着しなかった。
今回のフィギュアは、真Tから使われているもっともメジャーなものですが、ポーズを見る限り、真3版がモデルのようです。
顔。元絵通りなんだけど、オーディンとしてはあっさりすぎるような。
思ったよりも大きいし、難の無い出来で満足。
写真はカバヤが数年前に出した食玩オーディン。さびしい出来。
最近出た某超メジャーRPGのオーディンフィギュアを並べた方がそれっぽいか
・アスタロト
ユダヤ・キリスト教における悪魔、魔王。レメゲトンにおける72柱の悪魔や、偽エノク文書などでもその名を挙げ
られる。
悪魔解釈やオカルトの枠組においては地獄の大公爵、恐怖公として知られている。怠惰と不精の悪魔にして、四十の軍団を率いる司令官。左手に毒蛇を持った
堕天使の姿で現れ、凄まじい悪臭を撒き散らしながらも、召喚した者には過去、現在、未来について語り、問いに答え、秘密を見つけるという。「ソロモンの
鍵」(講談社から出てる「地獄の辞典」なんかでは「ソロモンの鎖骨」と訳されているのでわかりにくい)ではこの悪魔をルシ
ファー、ベルゼブブに続く、もっとも重要な精霊と定めているなど、その格は非常に高い。
このようなユダヤ・キリスト教の大物悪魔には、ほぼ確実になんらかのバックボーンが存在する。一神教の布教とヘブライ民族の繁栄の障害となった異教と、
その神々である。アスタロトのルーツは、シリア起源の狩猟の女神アスタルテ。このシリアの女神はその名が広まるとともに、この地域における権威的な神々―
エルやバ
アルを筆頭とする、いわゆるカナンの神々に習合され、エルの妻、バアルの妹(妻とも)などといった、カナンにおける重要な女神となった。ここでのアスタル
テは、狂騒的ですらあるバアルの妻(妹)女神アナトとは対照的に、理性的な面を持った戦いの女神であったという。カナンの神々は、その最高神であるエルと
いう例外を除いて、ヘブライ民族からは邪神のレッテルを貼られることになってしまった(エルは多神教時代のヘブライ教において、唯一神ヤハ
ウェの上位に存在する神、もしくはどの程度遺伝したかはともかく―ヤハウェの前身そのものであり、ユダヤ教成立の際にもその性質が多く吸収されたため、否
定しにくい)ことは非常に有名であるが、そうした記述が成される旧約聖書成立以前、実際のカナン定住→イスラエル王国時代においては、こ
うした神々もヘブライの人々から信仰を受けていたようで、有名なソロモン王はこのアスタルテを称え、崇めたとされる。また、紀元前9〜紀元前8世紀頃に彫
られた碑には「ヤハウェとその妻アシェラ」(アシェラはアシェラトともいう、エルの妻。アスタルテと同一視される)とい
う、かなり刺激的な文章が存在する。こうした風潮を徹底否定する、ヤハウェを唯一の神としてバアルの像を打ち壊したヨシヤ王の申命記革命や、バビロン捕囚
後の第2イザヤの宣言などは、ヘブライ民族をオリエントの大海に溶け込ませずに、団結を強め、存続を図るための手段であった。バアルやアスタルテといった
神々が力を失い、邪神と誹謗する必要が失われた後、宙ぶらりんになってしまった邪神扱いされる悪名高いものたちは、ユダヤ教がその一神教としての成立時に
ゾロアスター教の影響を受けて誕生した「悪魔」という概念に取り入れられた。姿形を変えて。
アスタルテが女神であるのに対し、アスタロトは男性悪魔とされることが多い。これには諸説あるが、アスタルテ信仰が各地に伝播(例えば、
ギリシャのアフロディーテはアスタルテが前身の一つではないかとされる。もっとも、アスタルテも伝播の際に関連付けられたシュメールのイシュタルなど、オ
リエント型地母神の影響下にあるが)した際に、カナン・ウガリット神話の星(金星)の男性神で、「ライオン」と称されるアシュターの要素
を吸収したため、エジプトにおいて獅子頭の戦女神となったのが、アスタロトの男性化の一因となっているのではないか、と女神転生関連の本では提議されてい
る(ちなみに、アシュターはアスタロトよりもさらに重要な悪魔の誕生にもかかわっている)。個人的には、父権・男性社会で
あるキリスト教では―リリスのような、女でなければ成り立たない、というような例外はともかく―例え悪魔であっても、大物は出来る限り男性とすべきだとい
う考え方が広まっていたからではないか、などとも思うのだけれども、どんなもんでしょう。
メガテンシリーズにおいては、スケールの大きめな作品(特に初期)には満遍なく登場し、登場時はほぼ確実にボスキャラとなる、優遇された悪魔である。初
代FC女神転生における最終局面におけるボスキャラ(ただし、同じ扱いのベルゼブブ同様、戦う必要はない)、FC女神転生
Uでは「ほーっほっほっ!」と笑いながらヒロインを自分の城まで攫う、いかにもな魔王(せっかくだから、バアル、ルシファー、アフラマズダ
同様元に戻してあげればよかったのに…)、真〜Tの最終ダンジョン・カテドラルのカオス側大ボスの一人、ルシファーの代理人として人間体(た
だしルシファーの人間体・ルイ・サイファーの偽者)への変装も見せてくれたり、イベントでイシュタルとアシュターに分離するという、FC
Uのリベンジのようなイベントまである真〜Uと、いずれもボスキャラとして活躍。さ
すがにルシファーやベルゼブブに比べると大物感が薄いのは否めないが、
メガテンシリーズにおいても重要な悪魔であることは間違いないだろう。
余談。偽典〜ではバアル信仰をメインテーマに掲げたストーリー故にアスタロトはほとんどヒロインといってもいい
キャラとして大抜擢(ここでは「アスタルテ」としての登場だけど、デザインや魔王であることなどから、アスタロトと考えて問題ないはず)。
真T〜真Uの間の話のはずなのに、それらに登場するアスタロトとは設定が全く違うのは気になるけど、グロCG付でメインヒロイン(こちらはイシュタル)の
心臓を食べたかと思えば、主人公と家庭用ゲーム機ではできないようなあんなことこんなことをいたしたりして驚かせてくれる。
フィギュアはお馴染みの姿で立体化(元々、FCUと真シリーズくらいしか原画が無い悪魔だけど)。
原画では黒く影になっていた股間部分がちょっと立体化してるのは多分、原型師さんのこだわり。
さすがに原画通りといかなかったのは竜の長さ。
いっそ、後ろ半分自作してみてもいいかもしれません。置きにくそうだけど。
顔。
原画のイメージともそんなに離れてないし、いい感じだと思います。
デザインがデザインだけに、ちっちゃいのが難点でしょうけど、他の西洋魔王と並べるように出来ていると考えれば納得。
・ラクシュミ
インドの吉祥の女神。維持の神ヴィシュヌの神妃。富、幸運、家庭円満など様々な吉祥を司る。
水に浮かぶ真っ赤な蓮の花に座り、左右から象によって水を注がれる4本腕(それぞれ、蓮華、アムリタの瓶、ヴィルヴァの実、法螺貝を持っている)の女性
として描かれることが多い。
当初は賢者プリグの娘として誕生したが、呪いによって神々が追放された際に消滅してしまう。だが、神々とアスラが協力して節の甘露アムリタを生成した
際、乳海が攪拌されたときに発生した泡の一つから誕生した(この際、多くの神々が誕生している)。こうして再度生まれたラクシュミは、生まれたその瞬間す
ぐにヴィシュヌに見初められ、妻となったという。手の早いことである。
夫のヴィシュヌは代表的な10種をはじめとして様々な化身(アヴァター)を持っていることで知ら
れているが、その妻である彼女もまた、寄り添うかのように、ヴィシュヌのアヴァターに対応した化身を持っている。例えば、ヴィシュヌがクリシュナの化身と
して人間に生まれればその妃ルクミニーに、ヴィシュヌがパラシュラーマになればラクシュミはダーラニーに…といった具合。
こうした性質から、ラクシュミは現在でもインドでもっとも支持される女神であるが、ラクシュミは本来、姉であるアラクシュミー(不吉祥)とともに、単に
幸福、不幸を象徴するだけの神であったようだ。現在での地位はやはり、ヴィシュヌの扱いの向上が影響しているといえるだろう。
仏教では吉祥天として、やはり幸福を司る天(神)として信仰を受けている。こちらではヴィシュヌやシヴァは強く支持されないが、それに比べて彼女は広く
信仰されており、その性質の受け入れやすさを示しているといえる。
メガテンシリーズでは、何気に初代ファミコン版以来、満遍なく登場。特に真T以降は女神の最高位となる機会も多く、印象深い。もっとも、
イベントがある
わけでも、戦闘での役立ち度が非常に高いというわけでもないので、やはり地味な印象は免れないが。
フィギュアはデビルサマナー以前のデザインを立体化。
もう少しボリューム感があった方が良かったかな。
服の塗装の質感は良いんですけど。
顔。
パールヴァティより質感落ちたかも。
夫婦
インドの人たち
・ピクシー
イングランドの伝承から、ヨーロッパ中に逸話の残る妖精。地方によってその呼称も少々異なり、ピグシー、ビグ
シー、ピスキー、パグシなどとも。語源はい
たずら好きな妖精・パック(メガテンシリーズでは真Uで活躍)に愛称語尾が付いたパクシー。
キリスト教徒の農民たちの間では、ピクシーは洗礼を受けることなく死んでしまった子供の魂が変化したものだと考えられている。彼らの魂が天国にも地獄に
もいけずにさまよっている、という。ピクシーにまつわる逸話は数多く、その個体個体によって容姿も多種多彩である。一般的には子供の姿のものが有名だが、
老人の姿をしたものなどもおり、もはや小人の姿をした妖精全般を指すといっても過言ではない。
メガテンシリーズにおいては、真〜T以降のほとんどの作品において「一番最初に会話で仲魔にできる」悪魔として
設定されており、それ故にピクシーを
フィーチャーしたイベントなども多い(メガテンシリーズの作中、悪魔たちが村落などを形成して生活しているというイベントがある場合、そこ
で暮らしているのは妖精種であることが非常に多い)。ソウルハッカーズでは、イベントで最強の攻撃魔法であるメギドラオンを所持するピク
シーを仲魔にすることができるし(ただし、当人では使い切れないために単なる合体要員にされる運命)、真〜Vでは序盤、イベントで仲魔になってから、別れ
るかどうかまで選択することの出来る、立派な仲魔ぶり。ロクな女が出てこない真〜Vだけに、ピクシーはまさにこの作品のヒロインということが出来るかもし
れない。いや、出来る。なお、真〜Vマニアクスでは追加ダンジョン・アマラ深界の終盤においてピクシーに関するイベントが追加されており、最初に仲魔に
なったピクシーをそこまで連れて行くと(合体に使用されていても、その要素が残った悪魔がいれば良い)、やはり分不相応な能力を所持したスーパーピクシー
へとパワーアップ?させることが出来た。
今回のパッケージイラストさん。
一部の作品を除いて、毎回意図的にデザインを変更しているピクシー。フィギュアはファンブックの表紙などでもお馴染み真Tのデザインを採用。
とらのあなのと並べたいところですけど、持ってないので無理で悲しい…
髪、後ろで束ねてたっけ
顔。思ってたよりも良かったです。
ダンバインの隣にどうぞ。
・バロン
バナスパティ・ラージャ(森の王)。インドネシア・バリ島におけるヒンドゥー教の伝承に現れる獅子。聖獣。
イスラム教を国教に定めているインドネシアにおいて、バリ島は例外的にヒンドゥー教を信仰している。だが、ここでのヒンドゥー教はインドにおける一般的
なヒンドゥー教徒は多分にその趣が異なっている。伝播したヒンドゥー教に、バリ島における固有の文化(ケチャやガムラン音楽などをはじめとする芸能文化が
有名)と民族性が交わり、さらにはインドネシアが独立した際に掲げられた建国五宣言によって、「インドネシアの宗教は一神教」でなくてはならなくなってし
まったために、インドネシアにおいては仏教もヒンドゥー教も一神教になってしまったのである。バリ島のヒンドゥー教では、インドのブラフマー、ヴィシュ
ヌ、シヴァといった神々ではなく、サン・ヒャン・ウィディという唯一神が主神とされ、その他の神、精霊の類は全て、このサン・ヒャン・ウィディの化身であ
るとされた(一方のインドネシア仏教は釈迦を唯一神とする)。もっとも、バリ島の住民の多くはそのことを深く意識することなく、昔ながらの多神教的信仰を
受け継いでいるようだが。
バロンはこうしたバリのヒンドゥー教最大の特色であり、その宿命のライバルであるランダとの戦いはもっともメジャーな事柄であろう。白い毛に覆われた聖
なる獣・獅子で、善の象徴であるバロンは、悪の象徴にして、美少女から老婆まであらゆる姿に変身する魔女であるランダと対となる存在である。バリ島ではこ
の二つの対決をモチーフとした芸能が盛んで、舞踏劇などは主にインドの叙事詩「マハーバーラタ」を脚色したストーリーで演じられる。そこではバロンとラン
ダは戦い続け、その戦いは終わることはない。戦いに決着がつかぬままに終わる。善と悪は拮抗するものであり、どちらかがどちらかを滅ぼすものではない、と
いうのがバリ島におけるヒンドゥー教なのだ。時には、本物のランダが怒るのをなだめるために、ランダ優勢で劇を終えることすらあるという。
メガテンシリーズにおいては、ライバルのランダともどもFC初代女神転生以来ほとんど全ての作品においてペアで
登場。イベントなどはないものの、永
遠に終わることのない戦いを繰り広げているのであろう。全ての作品において高位の種族である神獣の最高位に君臨している(だからといって、
戦闘で役に立つというわけではないのは御愛嬌)のも有名。また、この二体を合体させると、シヴァが出来ることでも有名。これは、「再生と
破壊の象徴であるバロンとランダの合一=再生と破壊を内包するシヴァ神」という意味をこめてのことらしい。
フィギュアはデビルサマナー登場時のデザインで立体化。
その後のソウルハッカーズ、真3では赤い部分が青くなってました。リペイントしてみてもいいかも。大変そうだけど。
今回、一番塗装に手間がかかってる一品。
細かい造形、グラデーション、塗装の質感、今回一番の出来かと。
顔が綺麗に撮れないー
・トール
北欧神話における雷の神。多くの雷の神と同じように豊穣の神という一面もある(雷
と雨、大地の関係ゆえ)。
オーディンと大地の女神ヨルズの子とされることが多い(諸説ある)。雷を象徴するかのような力を発揮し、ありとあらゆるものを打ち砕く魔法の鉄槌・ミョル
ニル(ムジョルニア、そのまんまトールハンマーとも)を持ち、巨人や竜といった悪党を相手に何度も英雄的な活躍を見せる、
ある意味北欧神話の主人公といっても過言ではない神。ミョルニル、その柄を握るための鉄の手袋、締めることで力が倍増する腹帯メギンギョルズといった魔法
のアイテムを装備した彼は最強の神とされ、数多くの巨人族から恐れられた。
数多くの武勲を得たトールであったが、ラグナロクにおいてロキの息子の大蛇・ヨルムンガルドと対決、勝利するも、その死体から飛沫を上げた毒を浴びたこ
とが原因で敢え無く死亡する。人間の守護者であったトールが死んだことによって、人類もまた滅亡する(生き残る人間もいるが)。
トールは邪気のない性格をした神であり、神秘主義的な知の象徴といった一面や、大局的な政治に必要な知性を与えるといった面のあったオーディンが主に権
力者階級に属する人々に強く支持されたのに対し、戦士の理想像とも
いえる活躍をし、豪放磊落な性格のトールは戦士や農民といった人々により強く支持されたという。
通常、ギリシア・ローマの神と比較される場合はヘラクレスと同一視される。また、雷の神、豊穣の神としての性質には、バアルやゼウスのようなオリエン
ト・地中海系主神と似た面もあり、彼への根強い信仰と神話における活躍などを絡めて、実はトールこそがオーディン以前の古代北欧の主神だったのではない
か、とする説まで存在する。
メガテンシリーズにおけるトールは、少々波乱に満ちた扱いを受けてきた。最初のファミコン版での中盤における必
須仲魔としてデビューした彼は、真女神転
生においてイベントキャラに昇格。ところが、真〜Tはそれまでやそれ以降のシリーズ以上に、ロウ・カオスの区別が徹底されており、それ以降の作品では基本
的にノンポリな態度を貫く北欧、インドの神様もどちらかの軍勢に与していることにされてしまっていた。トールはその原典の性格とは全く無関係に、ロウサイ
ドの尖兵・駐日アメリカ大使トールマン(トールの変装、トールの転生体など諸説ある)として登場。東京に核弾頭を打ち込
み、崩壊させることになる。もちろん、日本に原子爆弾を落としたアメリカ大統領トルーマンとの駄洒落や、核弾頭=トールハンマーというイゼルローンなシャ
レを効かせた扱いだったわけだけど、余りにも元の神と違う役割(おかげでファン投票で見事「嫌いな悪魔」上位に食い込む)や、
イベントの発生時期が影響しての魔神としてはあまりにもあんまりな能力の低さなど、かえって印象に残るキャラな分、それが災いして散々である。その後、レ
ベルこそぐっと上がっていったものの、真Tでのインパクトがことのほかプレイヤーに印象深かったためか、地味。しかし、真〜Vにおいてまさかの再イベント
キャラ
化。今度のキャラは以前とは全くの別物な、いかにも戦士の中の戦士といった扱いで、ほとんど主人公のライバルといってもいいような大抜擢。そのセクシーな
姿も印象的で、かっての
汚名を返上することが出来た…?
今回のフィギュアは真3のデザイン。ポーズには(真3でもこういうポーズを取るけど)真T原画のイメージも入ってるかな?
細部まで隙の無い造形。
後姿
なんだかせくしー?
どこと無く世紀末覇者を思わせる兜。
下から覗き込まないとわかりにくいけど、目もちゃんと塗られています。
オーディンと。
スケールは同じだけど、ポーズのせいでトールは小さく見えますね。
トールとロキ。
・シークレット・グレートパスカル
真女神転生(PCE版)に登場する魔獣。忠犬。
主人公の家で飼われている愛犬。パスカルはあるいは、父親が家にいない(離婚したというのが有力、だが、船乗りという説も)少
年にとって、最高の友であったのかもしれない。アマノサクガミによって母親を殺害され、余りにも過酷な戦いの運命へと引き込まれていく主人公を見つめ、追
従の意思を示した。主人公に付いていったパスカルは合体の材料にされることもなく、彼らが何かを企んでいた陰陽師蘆屋道満を倒すのを見つめる。だが、そこ
で悲劇は起こった。道満が操作していた機器が暴走、パスカルはそれに巻き込まれてしまったのだ…そして、時は流れて、数十年後の東京。いかなる旅を経たの
か、既にその身を悪魔と化して、かっての忠犬パスカルはなお、飼い主が現れるのを待っていた…
PCE版真〜Tにおいて、パスカルを合体の材料にすることなく、別れのイベントまで保持していると、後にイベントで現れる悪魔。なお、有名な話だけど、
合体の材料にした場合、パスカルはどのような組み合わせであってもケルベロスとなる。
その後、真〜Ifでは希少魔人(隠しキャラ)、希少ガーディアンとして登場。逃げ足の速さを見せ付けた。
また、メガテンシリーズでは恒例の忠犬ケルベロスサガ以外にも、パスカルより始まる忠ペットの流れというものも存在しており、偽典〜のニュートン、葛葉
ライドウのゴウト(猫)、ペルソナ3のコロマルなどがいる。
多分、今迄で一番マニアックなセレクト。
だったらいっそ、普通のパスカルのまま出しても良かったんじゃないかという気もしますけど、そこはそれ「悪魔」というこだわりがあるのでしょう
多分、グレートパスカルの後姿なんて、このフィギュア以降見る機会はないんじゃないでしょうか
ケルベロスと
パスカルは塗りがラフな感じ。個体差もあるようなので注意。写真のは多分、良い方。
オマケ・真・女神転生カードゲーム NOCTURNE Ver.フィギュア付きスターターを少々
・橘千晶
真Vの登場人物。主人公のかってのクラスメート。コトワリ「ヨスガ」を代表する。
ゲーム開始当初、これがヒロインかと誤解した私は、尊大な態度をとる千晶を見ながら、その内可愛いところでも見せるのかと思ったら大間違い。お嬢様なが
ら崩壊(受胎)後の人類の滅んだ世界においてたくましく成長して、ゴズテンノウの後を継ぎ、力と選民思想によって全てを制圧する「ヨスガ」思想の権化と化
し、とてもじゃないが共感できない化け物になられるのでした。やたらと長い腕をぐねんぐねん振り回して、天使たちを使い走りにする恐ろしい女。しかし、ど
のコトワリの代表者も共感できないことこの上ないし、ゲーム的に本ヒロインっぽい扱いの方が、善意でやってるっぽい分、さらに手を付けられない嫌な女だっ
たりする真V世界ではその程度、仕方のないことなのかもしれません。
魔承化後ではなく、通常時の姿で立体化(まあ、当然か)
顔。
最近の金子キャラの特徴をかなり忠実に再現しています。
ゲーム付属の人修羅と。
こうして並べると、おまけゴム人修羅の出来の悪さが一段と際立ちます。
・アバドン
蝗の王。『ヨハネの黙示録』などに現れる、奈落の王。語源はヘブライ語のabad(「彼は殺した」、もしくは
「死んだ」とも)。ギリシア語に訳されると
アポリオン=「破壊者」となる。
第5の天使がラッパを吹き鳴らすと、一つの星が天より落下する。その星は底知れぬ奈落を開く鍵が与えられており、星が深淵を開放すると奈落からは大きな
炉のような煙が上がり空を太陽を覆いつくした。そして、煙の中からは蠍の様な力を持った蝗が無数に現れた。彼らは植物などには害を与えることなく(といっ
ても、この前に大地や海に毒が撒き散らされたりしてるんだけどねえ)、額に神の印のない人間だけを襲った。だが、その蝗に襲われた人間は死ぬことなく、た
だ五ヶ月の間にわたって蠍に指されたかのような激痛にのた打ち回ることとなるのだ。彼らは自らの死を願うが死ぬことは許されない。蝗たちは、出陣の整った
馬に似ており、頭に金の冠のようなものを付け、顔は人間のようだった。女のような髪の毛、獅子の歯を持ち、鉄の胸当てを付けたかのような胸をしていた。そ
の翼の音は多くの馬に引かれた戦車が戦いの中あげる轟音の如く。そして、蠍のような尾と針を有していた。彼ら、蝗たちの王こそ底知れぬ奈落の王アバドンな
のだ。
アバドンは現在においても人間の生活社会に深刻な害を齎すことのある蝗害を擬人化、神格化したものであると考えられる。上記『黙示録』の記述では、蝗た
ちを放った奈落の王をアバドンと称しているが、元々のアバドンはここで現れる蝗たちとその害そのものを指していた可能性もあるだろう。また、ここでの描写
を見る限り、アバドンは悪魔というよりも神が人間を滅ぼすために放った天使のようにも取れるが、構成の悪魔学においては邪悪な戦争を引き起こす堕天使、悪
魔、魔王の類として考えられている。旧約聖書の時点では悪魔的な要素をあまり持っていなかったベヒモスやレヴィアタンが悪魔とされたように、中世以降の天
使的イメージから外れる外見、行為を成す想像上の存在は悪魔とされることがほとんどだったので、アバドンが悪魔とされたのもむべなることか。もっとも、蝗
害の擬人化であるということを考えると、黙示録における「神の使った兵器」のような記述がそもそも例外であり、アバドンは元々悪魔として考え出された存在
であったのかもしれない。
アバドンはそのギリシア語訳のアポリオンから関連して、ギリシアの太陽神アポロンとも関連付けられる。アポロンとアバドンの存在を重ねる説では、アバド
ンこそアポロンの零落した姿なのだとされる。また、敵に疫病を与えるアポロンの暗黒面なのだとも。しかし、アバドンのルーツを蝗に求めるならば、この説は
少々強引にも思える。おそらく後世になってギリシア語のアポリオンと結びつけて考え出された説なのではないだろうか。
アバドンの姿は(元々は蝗だったのかもしれないが)恐ろしく醜い姿をしており、召喚した者ですらその余りの禍々しさにショック死してしまうという。アバ
ドンの体内こそ地獄そのものではないかともされ、黙示録における落ちた星のイメージや地獄の王という性質を重ね合わせてか、アバドンとルシファーを同一視
する説もある。
メガテンシリーズにおいては、FC女神転生Uのボスキャラとしてアポリオンが登場して以来、多くの作品にではないが、いくつかの作品に登場、なんと、そ
のいずれの作品においても全く別の原画が使用されるという妙な厚遇振り。真〜TではFCU同様にスライムの親玉のようなデザインで登場するがイベントな
し、真〜Uでは黙示録における描写をイメージしたかのように、唯一神の側によって兵器のように扱われる。ここではアバドンの外見は登場せず、上記の「アバ
ドンの体内こそ地獄そのもの」のイメージを再現するかのようにダンジョンとなり、アバドンは心臓部のみがボスキャラとして登場した。その後しばらくは登場
していなかったが、真〜Vにおいて復活。めだったイベントこそないが、インパクトのある外見が印象深い。また、ここでは同じ「奈落の王」としてアバドンと
同一視される地獄の最下層「ゲヘナ」の王・アルシエルも登場。アバドンと同一視されるという説に倣い、アバドンを一定まで成長させればアルシエルに変化す
るようになっている。
フィギュアは真Vの…というか、真Vのカードの付録なんだから真V版デザインの立体化になるのは当然ですね。
サイズ、造形、塗装の質感、どれを取っても文句のない出来。3000円出すのはどうかと思うけど(カード代抜かすと実質1500円)素晴らしい。なによ
り、たった3種の限定悪魔フィギュアのラインナップにアバドンをセレクトしたセンスが。
・ネコマタ
年を経た飼い猫が妖怪変化したもの。1集参照。
ここでのネコマタは、ガラリとイメージを変えた真〜Vのデザインとなっている。
真Vでは、ディスコなどでイベントがありましたね。
ゲーム中のCGよりも肉感的に造形されており、光沢の効いたスーツとあいまって、なかなかセクシー。
後ろから見ても良い感じ。
顔も最限度高し。
塗装ミスでほくろがついちゃってるのが残念。
ワンコインのネコマタと。
ワンコインネコマタも出来の良さでは引けを取りません。あとはデザインの好みの問題。
戻る