・コトブキヤワンコインフィギュアシリーズ・女神転生悪魔召喚録−第5集
思い返せば、去年は一つしか出なかったのね、このシリーズ。
とりあえず、続いているだけでうれしいので、今年もがんばって欲しい所です。
・シヴァ
ヒンドゥー教の三大主神の一柱。ブラフマーが創造し、ヴィシュヌが維持、そしてシヴァが破壊する、という三者の関係性は有名である。もっ
とも、シヴァの破壊は、創造のための建設的な意味のある破壊であり、それゆえにシヴァは破壊の神であると同時に再生の神としての性質も持ち合わせている
(ヒンドゥー教各派において、神への解釈は異なるので、様々な性質を持つことになるのは必然でもあるが)。特にシヴァは民衆の広い支持を得ることで主神に
まで上り詰めていった神なので、その土地土地における様々な土地神、土着神などの信仰形態、神話を吸収してきた背景もあって、その能力はまさに多種多彩で
ある。
それだけに、彼は(ヴィシュヌのようにたくさんの化身―アヴァター―を持たないにもかかわらず)たくさんの異名を持っている。「破壊と降伏の神」である
と同時に「恩愛の神」であり、恐るべき死の象徴「畏怖者(バイラヴァ)」、運命と死を支配する「時間(カーラ)」、その名のとおりの「髑髏を首にかける者
(ムンダマーラー)」、その力と支配力を示す「悪鬼たちの主(ブーテーシャ)」、「家畜の主(パシュパティ)」、その幸福の神としての性質から「恩恵を授
けるもの(シャンカラ)」、全知全能「大天(マハーディーヴァ)」、支配者「大自在天(マヘーシュヴァラ)」、先の三大主神を合祀する三神一体説における
「ヴィシュヌ=世界の維持者(ハリ)と対になるシヴァ=世界の破壊者(ハラ)」…
なお、「シヴァ」という名前自体は、「吉祥」を意味し、ヴェーダ文献の中では暴風の神ルドラの尊称として使われており、それ故にルドラこそがシヴァの直
接の前身であったとされることが多い。気まぐれで破壊的、だが再生の象徴でもある自然の神は、その両極的な性質を内包したまま民衆の間で広く信仰されるよ
うになり、ついには主神としての地位を得たのだとされる。
その姿で特徴的なのは、青黒い身体、4本の腕、額の第三の目。青黒い姿とされるのは、神々が原始の海をかき回した際に飛び出した、世界を滅ぼしかねない
猛毒を飲み込んだためである。手には三叉戟(トリシューラ)、弓(ピナーカ。ソウルハッカーズなどで三叉戟をピナーカと呼んでいるのは間違い)、斧などの
武器を持つと同時に、残りの手では恩恵を与える印と恐怖を与える印を結んでいる。そして、額の目は奥さんのパールヴァティといちゃついてたら、はずみで目
を瞑ってしまい、世界が滅びそうになったので(なんちゅうスケールの大きいカップルだ)その時に開いたもの。武器にも使えるらしく、自分の修行を邪魔した
愛の神カーマに対してエメリウム光線を発射して焼き殺している。
奥さんは、これまたたくさんの異名を持つパールヴァティ(第4集レビュー参照)、子供として、ガネーシャ(第2集レビュー参照)、スクンダ(カルティ
ケーヤ)などがいる。
メガテンシリーズでは、イベントキャラとしての出番はまったくといって良いほど無いのだが、ほとんどの作品において最強レベルの悪魔として君臨、そして
それに恥じないその能力から、人気もトップクラス。
特に、真女神転生Uの最終決戦時においては、シヴァがいるのといないのとでは戦闘の難易度がまったく違う。
もう5年近く昔のこと、食玩ブームも真っ盛りの頃にカバヤ・ボークスが「世界の神話」という食玩を出したんですけど、そのとき私は「これなら、そろそろ
シヴァのフィギュアも手に入るな」などと思いました。ところがどっこい、「世界の神話」はいわゆるモンスターキャラや仏教関係を除けば、ヒンドゥーの神様
はガルーダ(しかも出来悪し)くらいしか出してくれなかったし、「それなら、神像をフィギュア化したものが出るだろう」と思ったのに、実在の宗教関係の像
をラインナップしていたUHA味覚党のコレクト倶楽部やらなんやらでも出ず、デモンズクロニクルが悪魔流れをぶった切って中国やらなんやらに手を付けても
こっちにはやってこず、という有様(せいぜい、海洋堂の七福神ストラップに大黒天が入っていたくらいか)。結局、私が求めてから、シヴァが商品化されるま
でにこれだけ時間がかかってしまったわけですが、その分感動もひとしおというものです。出来も良いです。格好良い!
今回立体化されたのは、スーパーファミコン時代(真T〜If...、魔神シリーズなど)の姿。見ていると、「真Tではレベル高すぎて仲魔に出来なかった
なあ」とか「真Uの終盤はお世話になったなあ」などといった思い出が甦ってきて感慨深いものがあります。
ただ、シヴァの場合、その後のデビルサマナー以降に定番化したデザインも非常にシヴァらしくて完成度の高いものなので、そちらでも良かったかもしれませ
んね。特に、このスーファミ時代のシヴァは、対となるデザインのヴィシュヌが存在しない(真Tでは、ヴィシュヌのアヴァターであるクリシュナをヴィシュヌ
ということにしていましたが)ため、今後、このシリーズでヴィシュヌがラインナップされるかどうかが心配になってしまうのは、結構な難点。
意外と、どの角度から見てもいけてます
このシヴァの後姿を見る日が来るとは思ってもみませんでした
この剣、折れやすそうなので扱うのには注意したい所です。ぽっきりというより、へんにゃりいきそうです。
顔。難点として、体に比べて、顔の色が暗すぎるということが挙げられます。あと、第三の目もちょっと横にずれちゃってますけど、まあ、小
さいしこれくらいは仕方ないか。
一家揃いました。
維持のち時々破壊
・ポルターガイスト
ドイツ語で「騒がしい霊」。家の中に現れ、家具を揺らしたり、茶碗や皿を割ったり投げたりする騒々しい方。また、その存在をラップ音を鳴
らすことで示したりする。どうでもいいけど、このラップ音が心霊現象現地レポート番組とかで何処ででもいつでも起こる霊現象として重宝されているのを観る
と「ただ単にどっかで音が鳴ってるだけだろ」などと思ってしまうのは私だけであろうか。 ポルターガイストの起源は古く、西暦858年にはドイツ・ビンゲ
ンで壁を叩く騒音や、正体不明の投石事件が起きたという記録がある。その他、有名な事例としては「ハイズビル事件」、「アミティヴィル事件」、「コロンバ
ス事件」、そして、いまだにその原因がわからない(つまり前記の事例は全部イカサマだったと判明しているということ)「ローゼンハイム事件」などがある。
ポルターガイスト現象は、主に思春期の男女がいる家庭で発生することが多いため、専門家(もちろん、超能力や心霊現象の、だ)の多くは、思春期の少年少
女が無意識のうちに超能力を発生させているのだ、というRSPK(反復性偶発念力)説を唱えている。メガテンシリーズの解説では、この説をさらに暴走さ
せ、少年少女が自身の生体マグネタイトをうまく活用できずに暴発させてしまい、そこに悪霊が寄り付いたことから発生した現象なのだ、としている(つまり、
その悪霊がこいつら)。でも、そういう年頃の子供は、無意識で超能力を発揮する可能性よりも、突拍子も無いいたずらをしでかす可能性のほうが高いような気
がしないでもない。
メガテンシリーズではガキ以下の雑魚キャラとしてすっかり定着した悪魔(ただし、ファミコン時代は結構強かった)。
今回立体化されたのは、真Uで初登場した、その後もののけ姫でブレイクすることになるカラーリングのバージョンと、ソウルハッカーズに登場した黄土色バー
ジョンのこいつが乗っていた椅子とかを組み合わせたもの。実際には一体しかいなかったので、これはお得です(なにが)
今回のマスコットキャラ担当?構成力のよさが光ります。
椅子や書物など、小道具類も抜かりなし。よく出来ています。
それぞれのポルターガイストのポーズが上手く表情付けられていて楽しいですね
各々の表情など。やはり、椅子で踏んづけられてる奴がいい味出してます。
なお、ポルターガイストはクリア素材に蛍光塗料で塗装されているらしく、暗闇でぼんやりと光ります。なかなか幻想的。
・ガブリエル
ミカエルと双璧を成す、キリスト教においてもっとも重要な天使。ガブリエルという名前には「神の力」「神の英雄」「強き者」という、現在
親しまれている女性的な性質からは少し意外な意味がある。また、語源の”GBR"(ガブル)にはシュメール語で「統治者」の意味があるなどとも。水の属性
を持ち、タロットカードでは最後の審判の際にラッパを鳴らし、死者を甦らせるという。
この天使を有名にしたのは、聖母マリアの元に訪れ、彼女の神聖受胎を告げた「受胎告知」。この出来事からの連想か、ガブリエルは唯一の女性の天使であ
る、とされることも多く、それが現代に至るまで続くガブリエルへの特別視、崇拝に影響をもたらしているのは言うまでも無い。なお、ガブリエルが女性の天使
であるとされる背景には、その他にもメガテンシリーズでもおなじみ、夜魔の女王リリスの影響を受けたからなのだと言う説も(マルコム・ゴドウィン『天使の
世界』)。ガブリエル崇拝は、リリス=廃れていった土着の地母神信仰が、形を変えて受け継がれたものなのだ、ということらしい。ガブリエルはユリを片手に
持って現れるが、これはリリスの名前の語源であるLILYすなわちユリ(この語源については、メガテンファンはみんな知ってるはず(笑))の影響だとも言
われている。同じようにリリス信仰の変形したものにメガテンでいうブラックマリア―黒い聖母信仰があり、やはり、厳格で女性的な性質を持たないキリスト教
的価値観による民衆の教化の中にあっても、地母神(とそれに類するもの)への信仰をすっかり駆逐してしまうことは出来なかったのだという事だろう。
また、広く信仰を受け、重要な存在となったものの常として、ガブリエルもやはり多くの性質を持ち合わせている。それがキリスト教の教義的には最も重要
な、神の啓示を伝えるもの、告知者としての姿であり、旧約の「ダニエル書」新約の「ルカの福音書」などでの活躍は有名である。そして、もう一つ有名なの
が、今までの女性的な性質とはうってかわって破壊的な、死の天使としての姿である。特にソドムとゴモラの街を滅ぼしたことは広く知られており、この一件が
とてもメジャーなおかげで、女性的な性質を持たない破壊の天使(または、堕天使)として描かれることも多々。
イスラム教でも、ムハンマドに『コーラン』を伝えた天使・ジブリールとして、ミカエル(ミーカーイール)以上に重要な天使として特別な崇敬を集めてい
る。最近ではこの名前でゲームでも活躍。透けやすい白いスク水を着こんで触手相手に色々頑張っている。
メガテンシリーズでは、ファミコンのUで初登場して以来、ほとんどの作品に姿を出している天使。真Tではカオスルートの最終決戦時に他の
4大天使たちとともに登場、通常攻撃を加えると回復するという嫌な性質を持っていた(しかも、このときは完璧に男の姿をしていたのもなんとも)、しかし、
次の真Uでは、他の3天使と仲違い。一人、神の真の計画に貢献しようとしていたので、良い奴なのかと思ったが、信徒以外の人類皆殺しにも躊躇しないあた
り、他の連中とそう変わらん気も。なお、このフィギュアの姿はその真Uの際にデザインされたものだが、真U劇中では主天使ドミニオンのバージョン違いの
ドット絵で、そういった意味ではこの姿での初登場はその次のIf...ということになる。
その後はデビルサマナーにおいて、ヒロイン・麗鈴紡が憑依させる(ステータス傾向の決定イベント)女神のうちの一つとして登場、真Vではヨスガのコトワ
リの守護者として、ウルエル、ラファエルを引き連れて登場するが、割とどうでもいい扱いだった。
フィギュアは、一言で言うと、あんまし出来が良くありません。
造形やアレンジなどは、これまでの大天使たちと似たようなものなんですけど、とにかく顔が…なんか、デビューしたての頃の唐沢なをき先生が描いたみたい
です。塗装が単調すぎるからだと思うので、リペイントすればよくなるかもしれません。
これまで何度も「外れやすい」と言われてきたからか、羽はジョイント部分が引っかかるような形になっており、これによって外れにくくなった…と思いき
や、付けにくくなった上に、外れやすいのは変わらないというよくわかんないことに。
羽の塗装などは相変わらずきれいです。
しかし、こうして4大天使が揃ったのには、本当に感慨深いものがあります。
・ベルフェゴール
元々は、アモン人が崇拝した古代の神バアル・ペオルだったとされる魔王。バアルは主、王の意味なので「ペオル山の王」といったところか。豊穣と財物を司
る神だったのだが宗教的に敵対関係にあるユダヤ教のラビたちによって悪魔として貶められた。ただし、ベルフェゴールの有名な性質である「排泄物の神」「屁
の神」「男根の神」といったものが、その際に彼らによって付け加えられた捏造なのか、元々バアル・ペオルがそうした性質を内包していたのか(豊穣におい
て、排泄物、つまり肥料はかかせないものであるし、古代において排泄物は金銀財宝の象徴でもあったのだ)はなんだかよくわからない。とりあえず、悪魔=ハ
エと関連付けるためにラビたちがこの悪魔にそうした性質を求めたのは間違いないようだ。
こいつも『地獄の辞典』で有名になった悪魔なので、そのバックボーンを歴史的に信頼しきれるものとは断定できない。とりあえず、有名な便座に座った姿は
そこでの創作である。
その後のキリスト教的悪魔説では元々は権天使(プリンシパリトゥス)であったとされ、しばしば若い女性の姿で現れるのだという。この姿から良くそんな発
想が出来たなあ…
メガテンシリーズでは、真Uに登場、ほとんど台詞も無いただの中ボスでした(ファミコン時代はバエルの部下としてパズスの首を奪ったりしてましたが)。
その後も、イベントどころか通常悪魔として登場することすらなかったんですけど、そんなこいつがよく立体化されたなあ、と感慨深くもなります。しかも、最
近デモンズクロニクルでも呼ばれたばかり。もしかしてこいつ、どこか私の知らない所に多数の支持者がいるんだろうか。
フィギュアは、少しサイズ小さめだけど、よく出来ています。
なんだか哀愁漂う後姿。
表情も良い味出しています
そして、ベースとなる便器。これが何故か妙に良く出来ています。
ハバネロたん以来の流用しがいのあるアイテムです(?)
ちゃんと蓋も閉じます。接続部分が壊れやすそうなので注意。
真Uでベルフェゴールを倒したら、この便器(背景扱いだったらしい)だけが残っていたのがなんだか寂しいものがありました
・スサノオ
スサノオノミコト。素盞嗚尊、素戔嗚尊、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)、須佐乃袁尊。
日本神話の三貴神の一柱で末弟扱い。海の神、冥界の神であり、狼藉を働いて姉のアマテラスの逆鱗に触れ、世界を闇に閉ざす事態の原因を
作ってしまったり、ヤマタノオロチを退治して英雄となったなどの伝説で有名である。
彼もまた非常に多面的な神であり、その性質もさまざまである。母親に会いたいと子供のように泣き叫び、乱暴者として高天原を荒らしまわり、出雲にて英雄
として活躍し、根の国の王として出雲の国の王となるべくしてやってきた大国主神に試練を与えたりと、逸話も数多く、その性質も一定しない。太陽と月の神格
化である姉と兄が一定の役割を当てられているのに対して、スサノオはそれが歪み、定まっていないように感じられるため、その有名さとは裏腹に、捕らえにく
い神として議論を呼ぶことも多い。仏教伝来後は牛頭天王と同一視されるようになる(これを祀っているのが祇園神社)。
また、馬頭観音と同一視される場合もあり、その場合、馬頭観音はオリオン座の暗黒星雲・馬頭星雲であり、スサノオがアマテラスに投げつけたアメノフチコ
マである。日本各地にある古墳の座標はオリオン座と一致しており、そこを巡る事で得たスティグマもまた、オリオン座に対応した形で残される。そうして記し
を得て選ばれし人(アートマン)は梵(ブラフマン)より全てを知らされることになる。暗黒星雲に世界の終末をもたらす暗黒神=スサノオが存在し、地球に迫
りつつあるのだ…と、唐突に漫画の話を混ぜてみる。
メガテンシリーズでは、デビルサマナーにおいてちょっと登場するくらいしかイベントはない(天津神が総登場する真Uにおいてすらない)の
だけど、なんせ元々メジャーな神様なので人気は高い。強いし。
この姿は真UやIf...でのものなのだが、当のゲーム中では、サルタヒコなどの鎧武者のドット絵を流用したものなので、このデザインは欠片も出て来な
い。
デザイン的には、デビルサマナー以降の座った暗い顔の男とどちらが人気があるのか良くわかりませんけど、こっちの方が格好良いので私は好きです。真Uで
はエキストラダンジョンで、ぽいぽい最強剣であるヒノカグツチを落としてくれたのもうれしかったです。でも、なんでスサノオがヒノカグツチを落としたんだ
ろうか?
フィギュアは、顔が平面的で、見られる角度が限られているのが難点。
真Tにおいて、数多くのユーザーがガイア神殿でタダで大量購入したというアメノムラクモの立体化もうれしいですね。
やっぱり、顔がちょっと残念かなあ
・ハトホル
古代エジプトの愛と幸運、子孫繁栄の神。太陽の神ホルスの妻である(あんな鳥とどんな夫婦生活を送っているのかは気になる所だ)。
エジプト各地の牝牛の女神への信仰を、集合化し、当時の最大勢力であったオシリス神話に組み込まれたものであるようだ。しかし、一連のオシリス神話にお
ける彼女の影は薄く、オシリスの妻イシスが大活躍してエジプト神話最大の女神となったのに対して、彼女はほとんど何もしないのだ。
他には、耄碌した太陽の神ラーが、人類を皆殺しにしようとハトホルを遣わしたが、虐殺を目にするのを嫌った彼女は、血の代わりに赤いビールで地上を浸し
てしまおうとするが、ビールの水面に映った自分の姿を見て、その美しさにうっとりしたため、人類は滅びずにすんだ、という、どいつもこいつも間抜けにもほ
どがある(つーかなんかよくわからん)神話が存在する。
メガテンシリーズでは、If...の隠しルートにてちょっとしたイベントがあった程度。しかも、いわゆる原画、イラストの類は発表されていない、とい
う、このシリーズ初の元絵が存在しないフィギュア。
何故、ハトホルが選ばれたのか、私には良くわかりません。
元絵が存在しないからか、ドット絵を直接アレンジしたらしく、金子絵っぽさは微塵もなくなっております。
それはそれで別に良いんですけど、せっかくの美人さんのはずなのに、塗装が荒いのが残念です。
ポーズなどはなかなか良い感じなので、このザラついた質感ではなくて、エアブラシ吹いただけにしてほしかったです。
背中は色っぽくて良い感じです。
あんまり使用されているキャラがいないので考えませんでしたけど、このシリーズは少し大きめなアイプリントの出来が総じていまいちな感じが
します。
・シークレット・マーラ
マーラ・バービーヤス。カーマ・マーラ。魔羅。殺す者、破壊者、死の恐怖。
仏教において、釈尊の修行を妨害した悪魔。人間が悟りを開くための弊害となる煩悩、その中の性的な欲望を象徴する。現在でもこの単語が利用されているのは
それが由来。
人間が悟りを開けば、欲望そのものである自分が消滅してしまうために、悟りを開くための修行を様々な手段を用いて妨害しようとする。色っぽい3人の娘
「乾き」「不満」「快楽」を送り込んで誘惑したり、恐るべき闇の軍団を動員して驚かせたりしようとするも、釈尊はそういった妨害に一切耳を貸さず、とうと
う悟りを開いてしまった。最後の手段として、なかなか人々が自分の話を聞いてくれないことに失望する釈尊に、人々を救済することなどやめて、自分ひとりで
涅槃に至るべきなのだと説いた。しかし、神々の助言を受けた釈尊はマーラを否定。説法の続行を決断するのであった。
仏教においては他化自在天となり須弥山世界の最下層、欲天の最上位に位置する。この世界は欲望の世界であり、ここを克服しなければ、それ以上の世界に行
くことは出来ないとされる(ただし、密教的思想においては、この人間的欲望が肯定的に捉えられる場合もある)。また、この世界は第六天にあたり、織田信長
の異名・第六天魔王はすなわちマーラに由来している。これは、信長の所業が比叡山延暦寺の焼き討ちなど、仏教に仇名す行為だと喧伝した敵対者によって名付
けられたもののようだが、信長自身も気に入っていたらしい。なお、上の方で出たシヴァの仏教における名、大自在天とよく似ているが(特に、女神転生にお
けるこの姿は、むしろシヴァにこそふさわしかったりする)、関係は無い。無いのだが、名前が似てるために同一視されたりもする。
ヒンドゥーの愛の神カーマと関連付けられ、カーマ・マーラという複合した悪魔にもなるのだが、どちらかというと、マーラはそもそもカーマの異名の一つで
あったようだ。マーラが(カーマが生を象徴する男性原理であるのに対し)死の女神であるという話やナイトメアのメア、スラブの死の老婆モーラになったとい
う話なんかはメガテンの関係資料でしか見かけないのだがどれぐらい本当なんでしょうか?
まあ、そんな解説なんてこの御姿の前には完全に無意味ですね。
メガテンシリーズでは、この一度見たら忘れられないインパクトのある姿を引っさげて真Tより登場。続く真Uでは早くもイベントボスに抜擢され(この戦車
に乗った姿は、ボス時のもの)、その「ご立派」振りをアピール。その後もソウルハッカーズのエキストラダンジョンのボスとして登場して、ネミッサが攻撃さ
れるとなんだか嫌な気分になってしまったり、NINEや真Vであまり立派ではない姿をご披露されていられます。なお、相方として魔王アリオクがおられます
が、そのアリオクを世間的にメジャーな存在にのし上げたマイケル・ムアコックも、錆びた自転車がどうしただとか(これはバラードか)のことはわかっても、
アリオクがあんな姿に描かれるとは予想だにしなかったはず。
とにかく、ボリューム感が凄い。ぶっちぎりで今回最大のボリューム。完璧な完成度!文句なんか言えません
このデザインの場合、根元の部分が、あんまり「それっぽくない」のが救いかもしれません(笑)
戦車部分もかなりよく出来ています。車輪はちゃんと回転します。
なお、今回の第5集。コトブキヤの通販予約特典として、このマーラ様の別バージョン、全身金色に輝く「御神体」がもらえました。
今回で、私の真Vマニアクス(2週目)最終戦闘メンバーが大体揃いました(シヴァのデザインが違うけど)。
ワンコインとしてのこのシリーズもこれでひと段落。今後も魅力的なラインナップと造形、そしてなによりも優れた量産体制を整えて続けていって欲しいもの
ですね。
そういえば、第4集のラファエルとかについてた黒い補助台座がいきなりなくなっちゃいましたけど、あれ、結局なんだったんでしょうか。
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