・コトブキヤワンコインフィギュアシリーズ・女神転生悪魔召喚録−第3集







割とどうでもいいことなんだけど、今回のパッケージがキングフロストだったのはちょっと意外。
ルシファー、ベルゼブブ、メタトロンと真Vマニアクス繋がりで並んでいるんだと思っていたもので。
じゃあ、真U繋がりなのかな、などとも考えたりしますけども、多分あんまり意味は無いんでしょうね。





   ・キングフロスト
   
真女神転生Uが初出のオリジナル悪魔。
巨大な雪だるまの怪物。無数のジャックフロストを従えて、世界を雪と霜で凍らせる。
ホーリータウン(未来の東京の都市の一つ)に出現し、人々を困らせていた。
物語の序盤、主人公アレフはセンター(真女神転生Uの世界を支配している組織みたいなもの)から救世主としての命を受け、この悪魔を退治にホーリータウン へ向かうことになる。
結局、アレフによってキングフロストは倒され、ホーリータウンにも一時の平和が戻ることになるのだが、どうやらこの騒ぎは、アレフを救世主として活躍させ るための舞台を用意するのと、ホーリータウンにいたセンターに逆らう叛乱分子を抹殺するために計画されたセンターの自作自演によるものであったらしい。
キングフロストもセンターが大量のジャックフロストを集めて合体させることで製作したようである。
真Uではこのように一種の人造悪魔のような存在であったが、別に誰かに改造されたからこの形態になる、というわけではなく、
大量のジャックフロストが集まれば普通に合体してキングフロストになれるようだ。ソウルハッカーズでは、エンディング後のお楽しみであるエクストラダン ジョンに登場。最後の自爆攻撃は先に攻略本などを見ておかないと初見時の全滅は必至、というなかなか酷いものだった。



   
見ての通りの大ボリュームアイテム。多分、箱を触ったら一発でわかります。形もさることながら、中身もムクでずっしり重いです。


   
髪のグラデーション具合はソウルハッカーズ版っぽいけど、
今回のパッケージの絵は真Uの際のイラスト(ソウルハッカーズ版はデジタルで彩色しなおされている)だったりします。どうでもいいですね。


 

これの見所はやっぱり、ベース(?)の芸の細かさ。頑張ってます。
不満気な顔のフロストを探してみよう。

   

側面からも。目をつぶっているのやウインクしているやつなど、なかなか遊び心が活きています(原画にはない)。 


   

  
そんなわけで、出来の良いアイテムなのは確かなのだけれども、
正直な所、そこまで欲しいキャラかどうかはちょっと微妙。
キングフロストはまだ許せるけど、フロストファイブやジャアクフロストはさすがに勘弁してください。
でも、デビルバスターズバスターズやヒーホー君とか、やりそうな感じはするんだよなあ。


    







          ・パールヴァティ
          
 シヴァ神の妃。インドの3女神の一柱。「山(ヒマラヤのこと)の娘」の名を持ち、ガンジス河の姉妹である血統書付。
タントラでは女性原理の性欲そのものであるシャクティーの名で呼ばれ、また、彼女の別の姿であるカーリーやドゥルガーを含めてマハーディーヴァ(大女神) と呼ばれることもある。
女神の中でももっとも美しいとされ、胸の豊かな女性の姿で描かれる…のだが、メガテンでは金子絵の美女はみんなスリムなのでそういう感じは薄かったりす る。地母神的な性格も強く、男女の和合の象徴ともされるだけに、夫との仲は非常に良いらしい。
神話の中にはこの夫婦がいちゃいちゃする話もあって、例えばシヴァ神の額にある第3の目が開眼した際の逸話などがそうなのだが、
これなぞなかなか凄い話である。
 シヴァが修行に打ち込んでいる際、かまってもらえずぷんすかぷんになってしまったパールヴァティたん。ちょっと悪戯心を出して、シヴァを後ろから抱きし めるように「だーれだ?」なんて両目をふさぐ悪戯を決行。なんだか、なにやってんだこのドバカップル、永遠にやってろ、という感じだけれども、そこは宇宙 最強の夫婦である。単なるデレデレイベント(CG2枚追加位の)で終わらず、なんと、偉大なるシヴァの目が閉じてしまったために、太陽は輝きを失い、宇宙 は闇と死に包まれてしまったのである。おいおいおいおい。
 結局前述の通り、そのときシヴァの額に第3の目が開いたためになんとか宇宙は救われたのだが…トンデモない話である。
 メガテンでは真Uから登場。夫のシヴァ同様に特にイベントは無し。

 

     
スカート(というのか?)のこの姿は真U及びIfでのもの。真Vではズボンだったので、こっちの方がうれしい?まあ、中身は埋まっているん だけども。
なお、今回からいくつかのアイテムは写真のようにベースの下にさらに黒い土台が追加されています。


                
試作とかを写真で見たときはいまいちかな、とも思ったんだけれども、実際はなかなか。普通に出来がよかったです。
淡い色合いとかがけっこう好みです。



           
顔はちょっと目の焦点が定まってなくて怖いかも?どっちかというと、真Uの原画よりも最近の金子絵の顔に近いかも。



            

息子と。早くお父さんが欲しいです。本当。期待してますから。









           ・ラファエル
          
 力天使(ヴァーチャー)を支配し、風の要素を持った四大天使の一つ。名前の意味は「神は癒す」。
 彼に与えられた役割は人を癒すこと。有名な『トビト書』でのトビア(クロスボーンガンダムには乗らない)少年を導いたエピソードや、神の使いと格闘して 足の関節を痛めたヤコブ(この格闘が有名なイスラエルの名前が誕生したエピソードである)を癒したり、
ノアに医学書を授けたりしたとされる。高齢になってから割礼を受けたために、痛みにのた打ち回っていたアブラハムのために、「そんなマヌケな光景には付き 合いきれません」と嫌がる(違う)ミカエルとガブリエルをわざわざヤハウェさんに説得してもらって、大の天使が3人揃って旅人の姿に変身し、想像するのが ちょっと嫌な痛みに苦しんでいるアブラハム爺さんに薬を渡したエピソードなども有名だが…正直、「・・・・・・」という感じもします。爺さんが皮を剥いた だけの話がここまでスケールがでかくなるとは、一神教って凄いですね。
 メガテンでは見ての通りのポルナレフ野朗だけど、癒しという女性的な役割を持つ天使だけに絵画などでは女性として描かれることも多かった。また、ミルト ンの「失楽園」では、アダムとイブの家に遊びに行った際に、「天使は男ばっかりみたいだけど、そんなんじゃ性欲をもてあますんじゃね?」とダイレクトな質 問を受け、顔を真っ赤にしてしまうという萌え萌え描写があった。なお、この際の答えは「わ、私たちは必要に応じて男性に女性にもなれるんです!」というも のだった。つーことは、してるのか。
メガテンではファミコンのUから登場。真Tではラスボス直前のボス、もしくは仲魔にするのがもっともめんどいセラフ。
真Uではミカエル、ウリエルとともにセンターを支配する悪の首領として登場。真Vでの中ボス扱いでの登場の際にもウリエル、ガブリエルとセットで登場して いた。やっぱり、この子達はセット扱いなのね。



 
元から四大天使の中でも筋肉質な感じに描かれていたので、このシリーズでの筋肉質アレンジがマッチしています。
ポーズの関係もあって、なかなか場所をとってくれます。なんだか、四大天使はどんどんでかくなっているような。


          
ポーズにもなかなか動きがあって良い感じです。パール表現も良し。

         
 元からこういう顔のおかげで、このアレンジに違和感がないのはうれしい所です。


 いよいよ揃ってきました。次が楽しみですね。
しかし、ラファエルだけ黒い土台があるのはちょっと浮いちゃうかも。別にこの状態でもそんなにバランスが悪いというわけでもないし(むしろ、ウリエルがよ く倒れました)。








     
      ・ハヌマーン
      
 ヒンドゥー教の猿神。風の神ヴァーユと猿王妃アンジャナの子。猿の軍団を統率し、風に乗って自由に空を飛び、変幻自在に姿や大きさを変え ることが出来る、インドやタイで非常に人気の高い神で、大衆に広く愛され、現在では曲芸師やレスラーの守護神ともされているという。
 インドの叙事詩『ラーマーヤナ』では妻をさらわれた英雄ラーマ(ヒンドゥーの主神ヴィシュヌの化身の一つでもある)の家来として登場し、様々な活躍を見 せてくれる。この物語が大衆のハヌマーンへの認知度に大いに貢献しているのは間違いないだろう。ちなみに、インドの絵画の中にはラーマーヤナをテーマにし たものも非常に大量に存在するが、その中にラーマと抱きあうハヌマーン(二人とも、異様にうっとりした表情)という絵があり、なるほど、やはりインドでも やおいが大人気なのか、などと思ったが、現地の人にそんなこと言ったら怒られるだろうからもうやめておく。
 あと、西遊記の主人公、孫悟空の源流と言われているのが非常に有名。



       
造形的にかなり凝ったものになっています。各部のディティールがディティールナだけに、何処か伝統芸能の香りすら漂うほど、と言うと言い過ぎですが。で も、このまとまりの良さは確かなものです。



       

なお、この姿はデビルサマナーやソウルハッカーズでのもの。個人的には、真T〜If、真Vでの姿のほうが愛着があったので、そっちで出して 欲しかったな あ、という感じも。ガルーダが出るときもデビルサマナー版になっちゃうんだろうかなあ。



        

ちょっと「?」だったのは、原画では目は普通に開いていたんだけど、フィギュアではこんな感じの表情になっていること。
ついでに、ヘルメットの額部の形状もちょっとだけ違ったりします。ライドウ辺り(未プレイ)ではこんな感じだったとかかな?




    

    仏様を大切にしない奴は死ぬべきなんだ










 
    ・ラミア
    
ギリシア神話出身の化け物。
海神ポセイドンの息子ベロスとその母リビュエの娘。ゼウスの星の数ほどいる浮気相手の一人として寵愛を受けたが、
ゼウスの妻ヘラの怒りを買い、ラミアが子供を生むたびに、ラミアがその子供を食べてしまうように呪いをかけてしまったのであった。ひどいね。
ラミアはこの恐ろしい呪いに発狂し、その心を失い、子供をさらって来ては食い殺してしまう、洞窟にこもった野蛮な鬼女と化してしまったのであった。
ところが、これでもまだヘラの怒りは収まらず、彼女から眠りという安息を取り上げてしまった。さすがに憐れに思ったのか、ゼウスは彼女の目を自由に取り外 せるようにしてやった(いや、そんなことせんで元に戻してやれよ)。
これによって、彼女は休みたいときには目を取り外し、充分に休息をとっては子供をさらったり、男を誘惑して食い殺したりするのに精を出せるようになったの だという。おいおい。
 ここから始まった、親が子供をしかりつけるときに「言うことを聞かないとラミアが来るぞ」という習慣はギリシアのみならず、キリスト教文化圏においても 語り継がれることになり、キリスト教の説話などの中にもその姿をあらわすこととなる。男を誘惑する、という点からサキュバスのような存在としても認識さ れ、おそらくそこから連想されたのだろうか、アダムと別れたリリスのその後の姿である、などともされたという。
 メガテンにおいては有名な化け物だけに、ファミコンの初代女神転生から登場。このデザインは真T以降のものである。一悪魔としては特に印象に残る存在で はないのだが、前回のナーガラジャといい、下半身蛇が好きな人が企画しているのかもしれない。



    
一応今回のお色気担当…?ああ、ゴルゴンのほうじゃなくて良かった。


    

背中のラインとか、流れが滑らかな感じがして良いですね。

   

   うねうねしています。

      

下から見るとこんな感じ。胸ほっぽり出しているけど、あんまりえっちい感じがしないのは不思議。
個人的には、それよりも肋骨から腰に流れるラインとかが好み。

    

顔は怖い。というか、うちのはもしかして、ちょっとはずれかも?









 ・ケルベロス
 
 ギリシア神話の魔獣。巨人テュフォンと、数多くの怪物たちの母親である蛇女神エキドナの間に生まれたモンスター。
地獄に許可なく入り込もうとする者や地獄から脱出しようとするものを見張る、三つ首にして竜の尻尾を持ち、背中には大量の毒蛇をはやした地獄の番犬であ る。ギリシアなどにおける、死者の棺に地獄の渡り舟の主・カロンに渡す船賃として銅貨を一枚入れる習慣は有名だが、このケルベロスの好物であるハチミツ入 りのケーキ(甘党なのだ)も入れておく、という習慣もあるのだそうだが、なんだか蟻が沸きそうである。


さて、このケルベロス。一般の知名度も高いが、メガテンシリーズにおいても、最も重要な悪魔の一つである。
ある意味すべての原点である小説「デジタルデビル物語・女神転生」の時から、ケルベロスは主人公に付き従う悪魔であり、頼れる仲魔であった。
ファミコンの初代女神転生ではタイトル前のデモから登場。イベントらしいイベントはないが、その扱うことの出来るレベルからすると破格の能力を持ってお り、クリアには絶対必須の存在であった。さらに、その続編である女神転生Uでは、小説版でのケルベロスの特別扱いも考慮に入れられたのか、イベントキャラ に昇格。(明言はされないが)前作の主人公である中島朱実の命令で、ゲーム中に登場するゲームの中で半世紀も主人公が訪れるのを待っており、そのまま貴重 な戦力になってくれる。
 そして真Tでは、主人公のペット・犬のパスカルと悪魔(どれでも)が合体する、というイベントに登場。その当時の主人公たちの能力をはるかに超越した力 を持っており、序盤の戦闘をイベントのようなものとして片付けることが出来た。その後、すぐにいなくなってしまうのだが、プレイヤーがその存在を忘れかけ た頃に感動的な再会を果たし、再び仲魔になる、という展開にはなかなか
感慨深いものがあった(もっとも、その頃に仲魔になられても戦力的に少し辛いものがあるのだが…)。
 こうして、ケルベロスはこのシリーズにおいてその立場を不動のものとした。真Uではなかなか渋い人格を持ったキャラクターとして登場し、さすがにイベン トは無いかと思われたIfでも隠しっぽいイベントで仲魔になるなど、ただの犬悪魔としては破格の扱いを受けている。その後はあまりイベントらしいイベント が無いが(真Vでの小ボス扱いなどではちょっと寂しい)それがなんだか残念な気がしてしまう。それだけの存在となっているのである(だから、三つ首じゃな いのにもみんな愛着を持ってしまっているので文句を言わないのである)。



    
 今回は尻尾の色を見る限り、真Vにおけるケルベロスのようである。



  

造形的には、このシリーズでは珍しいくらいにアレンジが加えられており、しかもそれが非常に格好よく決まっている。
文句なしにお勧めできる一品である。 


   

筋肉の表現など、原画からさらに生物的に強化させたような感じ。


       

おなじみの少しライオン入った顔のケルベロス…は某さくらに影響を与え…てはいないと思う。




 ついでに、デジタルデビルアナライズのケルベロスと比較してみる。
 
 
 投売りされていた単色版(わかりやすく言うとヒッポリト星人にタール漬けにされたウルトラ兄弟の色)をぱっぱと塗装。
 デビルサマナー版のカラーリングにしてみたけど、意味は特に無い。
 なんせ私が塗っただけに、本物の彩色版はもっともっとマシだと思うです(見たことが無い)。


  

  原画に似ているのはこっち…なんだけど、




完璧に迫力負けしてますね。











 シークレット・ヨシツネ
 
      源 義経(みなもとの よしつね、源 義經)
              (1159−1189)

平安時代末期の源氏の武将。幼名である牛若丸としての活躍や、その後の平家の打倒、そして、不遇な最期を遂げた後も語り継がれることとなった様々な伝説な ど、虚実入り混じって数多くの逸話がある、漫画等に出ると美形に描かれる率100%男。
デビルサマナー、及びソウルハッカーズにおいて、英雄、猛将という特殊な種族で登場している。
金子氏自らとにかく美形キャラに、とにかく美形キャラに、というのを念頭にデザインしたというだけあって、プレイヤーの人気の高い悪魔となった(なんたっ て、元から知名度があるのも強い)。



    
ヨシツネ自体にはそれほど思い入れは無かったんだけれども、何故だか一集の頃から結構欲しかったアイテムなので、ラインナップされたのは嬉しいです。元絵 が元絵だけに、鑑賞出来る角度が限られてしまうのが残念ですが、出来は決して悪くありません。個人的には、今回一番好みかも。

 

 
 
     
 このように、正面から見るフィギュアではなかったりします。

   

 横から見た顔はいかにも金子美形キャラなんですけども、こうして正面から見ると、なんだか
あっさりさっぱりして若返った稗田礼二郎みたいな感じです。
    

        
    側面以外からでは、この角度でもいけるかな?

 

 顔に陰影をつけてあげると、より元絵に近くなるのではないでしょうか。


 



 
 まだまだ頑張って欲しいこのシリーズ、そろそろシヴァやバアル、アマテラス、オーディンといった大物魔神に手を付けてくれてもいいのではないでしょう か。
 バリエージョン豊かにラインナップしていくのは嬉しいんですけども、あんまり地味な面子のままグランデに突入されたりしたらちょっと困っちゃいます。次 はペルソナ3メインとかだったら個人的には辛いなあ。



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